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プロの商売人

15年乗り続けていた車を手放したときの話です。

3軒の中古車買取店を回りました。

特に大きな故障や目立つような傷はありませんでしたが、新車から15年も経つと果たして買い取ってくれるものなのか?

場合によっては、値段がつかず廃車するしかないことも覚悟していました。

最初に業界最大手のチェーン店に行きました。

まるで新車ディーラー店のような綺麗なガラス張りの店舗で、一人の若い女性社員の方が応対してくれました。

まずアンケートに車種や年式など必要事項を記入し、それを渡して査定が始まります。

15分程度で査定は終了しました。

その結果をコンピュータに登録し、データベースと照合されて値段がはじき出されます。

結果は、買い取るどころか、逆に廃車手数料が20,000円かかるとのこと。

但し、今月内ならキャンペーンのため、タダで引き取るというのです。

納得できなかった私は、少し検討しますと伝え、別の店舗へ向かいました。

帰る際の見送りで、車のバックミラーから姿が見えなくなるまで延々とお辞儀を続けていたのは圧巻でした。

さすがは業界最大手ということもあり、コンピュータ管理に加え、社員教育が優れているのでしょう。

ただ残念だったのは、どことなく機械的、事務的に見えてしまったことです。

ポンコツといえども、15年乗り続けてきた車でしたから愛着はあります。

もう少し親身になって、何とか値段がつくよう上司と交渉する姿勢など見られたらよかったのですが・・・

2軒目もCMで有名な店舗に行きました。お店では中古車の販売も行われていました。

作業着姿の車に詳しそうなエンジニア風の中年男性が応対してくれました。

基本的な質問にいくつか答えたうえで、希望金額を聞かれました。

(値段がつくのか・・・)そう内心では思いながら、思い切って「10万円」と伝えると、さすがにそれはムリとのこと。

「他の店舗ではどうでしたか?」と聞かれたので、とっさに「7万円」と私はウソをつきました。

「んー、うちでは頑張って5万円が限界です」それが答えでした。

(5万円でも十分だけど、今7万円って言っちゃった!)

少し後悔しながらも、やっぱりウソとは言えなかったので、その店で売るのを諦めました。

日が暮れ始め、雨も降ってきました。

今日は諦めるしかないかと一度家に帰り、インターネットでほかの店舗を探し、何軒か電話をしました。

もうすぐ車検が切れることもあり、一刻も早く売りたかったので、あまり値段を比べている時間がありません。

私の興味は、“いったいいくらで売れるのか?”だけです。

しかし、どこへ電話しても査定してみないと値段はわからないという返事。

そして、落胆しながら最後に掛けた電話。

電話口の向こうの声の主は、いかにもベテランという感じの年配男性でした。

車種・年式・色を伝え、希望金額を聞かれました。

少々控えめに「7万円で・・・」と伝えると、「わかりました。7万円で引き取りましょう」

あまりにも即答だったので、びっくりした私は、思わず「査定には行かなくていいんですか?」と聞き返しました。

すると「今日はもう暗いですし、雨も降っていますから、来店できる時で結構です。それと、今お話している感じでお人柄がわかりますから、査定をしたとしても間違いなく7万円以上、場合によっては10万円を上限に買わせていただくことをお約束します」

この言葉を聞いたとき、本当に鳥肌が立つぐらい感動しました。

後日、お店に行き、車を査定してもらいました。

やはりベテランのご主人で、奥様と2人で経営されている様子のこじんまりとしたお店です。

私の車をライトに照らしてよく見ると全体的に塗装がはがれていたので、全面塗装しないと売りには出せないといわれました。

それでも、約束どおり7万円で買い取っていただきました。

なぜ業界最大手の会社で廃車宣言された車が7万円の価値に結びつくのだろうという疑問を抱いていましたが、その答えは私が質問するまでもなく、ご主人が話してくれました。

理由は、私の車がスポーツタイプで昔人気があったことと、年式の割には走行距離が少なかったため、一般の中古車市場では売れなくても、一部のカーレースマニアが乗りつぶすために買うニーズがあることをご主人が長年の経験で知っていたからです。

そして最後にこんな話を聞くことも出来ました。

「契約の際、免許証を見せてもらいましたが、大事に車を乗っていましたね。実は、免許証番号12桁の一番右端は、免許証の再発行回数を表しているのです。ゼロは一度も紛失していない証拠。だから持ち物を大事にしている人だとわかるのです。」

実際に査定では気づきにくい事故車を黙って売りさばく人がいたそうで、人を見抜くノウハウの一つなんだそうです。

私の場合は運良く紛失していないだけですが、それにしても脱帽です。

感動・喜び・感心を与えるプロの商売人の真髄を見させてもらいました。
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テーマ : 伝えたいこと
ジャンル : ブログ

プロフィール

gaku+

Author:gaku+
ニックネーム GAKU(本名:まなぶ)
1974年生まれ B型 水瓶座
平成6年から都内の某放送通信系企業に就職
技術・営業・企画と携わり現在に至る

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