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前提の存在

よく使う営業トークで、「AとBでしたら、どちらが宜しいでしょうか?」というのがあります。

たとえば、アポイントを取る際に「平日と週末でしたらどちら宜しいでしょうか?」という風に使います。

要するに“Yes or No”ではなく、“Yes”を前提に、二者択一の質問を投げかけるわけです。

前後の会話の流れや、タイミングをうまく取ってやれば効果的です。

これを応用した対話術で、『ミルトン・モデル』というものがあります。

20世紀最大の心理療法家といわれるミルトン・エリクソンのアプローチ法として、コーチングやNLPと呼ばれるコミュニケーション術にも取り入れられています。

これはどういうものかというと、たとえば、ネガティブ思考でなかなかやる気になってくれない男性社員がいたとします。

「仕事のできる男は、女性からモテルよ」などという言葉にも反応しません。

ミルトン・モデルでは次のように質問をします。

「自分が成長することに興味はある?」

質問は“興味”があるかないかです。

成長するということは、この時点で“前提”になります。

「興味ない?じゃあ、成長することで、人から頼りにされることに興味はある?」

このように聞くことで、今度は“成長することで、人に頼られる”ということまで前提になってしまいます。

そして、「それなら成長を楽しい方法で深めることに興味が湧いてこない?」と。

「そんな楽しい方法があるの?」

「こんなふうにやってみたら!」

というふうに、「成長することに興味がある」を自分の選択肢として受け入れるように誘導するわけです。

このように前提が作られるのは、なにも会話に限ったことではありません。

誰かの作った企画書や、統計資料などは、作り手の想いが“前提”という形で潜んでいることがよくあります。

有名な哲学者、フランシス・ベーコンは1620年につぎのように言っています。

「人間の理解というものは、ひとたびある見解を採用してしまうと、それに適合する例ばかり集め、たとえ反例のほうが、数も多くより重要である可能性があっても、その見解がぐらつくことがないようにと、それらに注意を向けないか、さもなければ拒絶するかのいずれかである」

さらにわれわれは、自分の先入観を裏づける証拠を優先的に探し求めるだけでなく、曖昧な証拠を自身の考えに有利になるように解釈するという性質をもっています。

使う、使われる、その善し悪しは別として、まずは“前提”の存在を知り、注意深く考えるクセを持つことが大切だと思います。
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テーマ : 伝えたいこと
ジャンル : ブログ

プロフィール

gaku+

Author:gaku+
ニックネーム GAKU(本名:まなぶ)
1974年生まれ B型 水瓶座
平成6年から都内の某放送通信系企業に就職
技術・営業・企画と携わり現在に至る

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