いくら過去を分析しても、それを次の行動に生かせなければ意味はありません。
分析するのは、次の行動を決めるための手段であって目的そのものではないのです。
ところが実際は、分析資料を作るところまで、あるいは「○○という傾向がある」と論評をつけ加えるところまでで終わっているケースを見かけます。
また、分析データには鮮度があるのと、分析するタイミングも重要です。
中長期の計画を立てるのであれば、時間を掛けて過去何年か分のデータをまとめて分析し、そのトレンドを見ながら判断することもできるでしょう。
しかし、明日の行動を決めるのに過去1ヶ月間のデータ分析をまとめて行っても遅いのです。
たとえば、先月の営業成績が悪く、今月は何とか挽回しなければならないとします。
ところが集計したデータが仮に1ヶ月分のトータルの数字だけだとしたら、何が原因かはさっぱり分かりません。
また、日ごとの数字が示されたとしても、2日前、10日前、20日前、30日前と記憶を遡るほど、その日に何があったかを思い出すことは難しくなり、原因はぼやけてしまいます。
ですから、なるべく素早く集計・分析し、記憶が鮮明なうちに問題点を見つけて、次の改善につなげるというサイクルが不可欠なのです。
優秀な企業ほど、細かく短いスパンで行われています。
経営破綻するまでのJALは、1便ごとの収支を集計するのに2カ月もかかっていたそうです。
稲森会長が再建に携わり、今では1便ごとの収支が翌日にはわかるようになったといいます。
このようなサイクルを何度も繰り返す経験をしていくと、予測する力を身につけることも不可能ではないといいます。
予測するといっても、何ヶ月とか何年とか遠い先のことではなく、2秒先さえ読めれば十分だというのです。
次回はそのことについてお話します。
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