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視界を開く

普段からブログを書いているわりには、ちっともうまい文章も書けず、またビジネス書を読むわりには、インバスケット試験も最悪の手ごたえと、自分の不甲斐なさを痛感しているところです。

前から自分には何が足りないのか、考え方に偏りはないか、将又見えているようで、実は見えていない広い世界があるのではないかというようなことを考えます。

幸いポジティブ思考なので、別に落ち込んでいるわけではなく、なにかちょっとしたきっかけさえあれば、ぐっと視界が開けていくのではないかと・・・

いつものように仕事の帰り道、近所の本屋に立ち寄り、代わり映えのない陳列の中で一冊の本を見つけました。

十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽きたらこの本を捨てて下さって宜しい。

『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽きたらこの本を捨てて下さって宜しい。』

なんとも、挑戦的なタイトル!

ん?“遠藤周作”って、有名な昔の小説家ではありませんか。

小説をほとんど読まない私でも、遠藤周作という名前ぐらいは知っています。

パラパラっと中身をめくったところ、なにやら手紙の書き方について書かれている様子。

420円なら安いし、捨てても(実際にはしませんが)いいだろうと購入しました。

早速読み始めると、これは最近発行したばかりの本ではないかと錯覚するほど、現代社会においても共感できる古さを感じさせない内容です。

ところが、この本は、遠藤周作氏が半世紀も前に書いた未発表の原稿が数年前に偶然発見されて、文庫本になったというから驚きです。

好きな人へのラブレター、病気見舞いの手紙、お悔み状など、手紙の書き方を通じて、相手の心を掴む術を教えてくれます。

派手で目を引くタイトルの心理学の本を読むよりも、よっぽどためになります。

氏の小説家として培ってきた人生哲学がこの一冊の小さな本に詰め込まれています。

この中で、氏が小説家になりたての頃、先輩からダメだしを受けたときの話がとても印象に残りました。

「夏のまぶしさや暑さを描くなら光の方から書くな。影の方から書け」

つまり夏の暑さを描写するのに「太陽がギラギラ」とか「樹木はまぶしく」とかいう表現は誰もが使う手垢アカによごれた形容です。

むしろ、そういう場合は太陽の光には触れず、「白い路に鮮やかにおちた家影」、「暑さの中で微動だにもしない真黒な影」を書いた方がはるかに効果的。

一つ視界が開けたような気がいたしました。
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プロフィール

gaku+

Author:gaku+
ニックネーム GAKU(本名:まなぶ)
1974年生まれ B型 水瓶座
平成6年から都内の某放送通信系企業に就職
技術・営業・企画と携わり現在に至る

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