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今に継承される想い

東北地方の伝承を記録した、柳田國男の「遠野物語」という著書があります。

全119話からなる本編の第99話は、津波で妻と子どもを亡くした男の話が綴られています。

男は、生き残った子どもと一緒に海岸に小屋を掛けて暮らしていた。

霧が立ち込めるある月夜の晩、海辺に向うと二人の男女がいた。

近寄ると、女はまさしく亡くなった妻だった。

名を呼ぶと振り返り、にこっと笑った。聞くと、今は夫婦でいるという。

生き残った夫が妻のところに婿入りする前に、妻が思いを交わしていた男なのだという。

夫は、生き残った子どもは可愛くないのかというと、妻は悲しそうな顔をして去っていった。

妻を亡くしたこの夫の名は「福二」という実在した人物で、話の内容も実際に起きた明治三陸津波(1896年)から1年後の出来事です。

福二という人物が語らなければ、この話は誰にも伝わることはなかったわけです。

この話は、岩手県山田町の田の浜が舞台となっており、その子孫は今も田の浜で暮らしています。

20代の頃、母からこの話を聞かされた福二さんの四代後の子孫にあたる男性は、現在奥さんと娘さんの3人暮らしですが、家を津波で流され、今は仮設住宅での暮らしです。

そして、この話を伝えてくれたお母様は、東日本大震災の津波で帰らぬ人となってしまいました。

無常にも繰り返されてしまった歴史

第99話は、話だけを聞くと、男のせつない想いを描いた作品という印象が強く残りますが、震災が起きた今、この話は100年前に起きたこれも現実の話であることを突き付けられます。

こうした亡くなった方々の霊と出会う話は、震災後の被災地では珍しい話ではないといいます。

震災と共に断ち切られた時間は元には戻りません。

想いを語らず心にそっとしまっておいた話や、普段は口に出せなかった感謝の言葉など、もう一度会ってきちんと伝えたい。

被災された大勢の方々の強い想いがこうした現象を引き起こしているに違いありません。
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テーマ : 伝えたい事
ジャンル : ブログ

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プロフィール

gaku+

Author:gaku+
ニックネーム GAKU(本名:まなぶ)
1974年生まれ B型 水瓶座
平成6年から都内の某放送通信系企業に就職
技術・営業・企画と携わり現在に至る

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